4.事業の概況(2024年度)6〔営農販売事業〕 2024年度は、春先の天候不順に始まり夏場から秋口の高温と干ばつ、当期は平年より 気温の低い日が続き乾燥や寒波の襲来もあり、一年を通して厳しい条件下での生産を強 いられました。 全国的な成果物の生産量の減少は各品目において単価高の状況を招き、消費者の食生 活の多様化や円安を背景にした訪日外国人観光客の急増などが需給バランスを一層複雑 化させ、過去にない高値での取引も見受けられました。 しかしながら、高齢化に伴う作付け面積の減少や気象災害に伴う減収分を単価で補え ず、販売高が前年を下回る品目もありました。 このようななか、JAグループ・重点市場と連携した総合的な周年取引に努め、物流 の2024年問題への対応や「適正な価格形成」と「農家所得の増大」に努めてまいりまし た。 部門毎の販売高をみてみますと、農産で前年比127%、果樹では猛暑による温州みかん への被害が大きく前年比83%、野菜については一年を通して高値基調で推移し、販売高 で前年比106%でありましたが、数量は78%と落ち込み、共同選果場に係る利用事業の収 支へ大きく影響しました。 花卉では前年比94%、畜産においては、子牛価格にやや回復の傾向が伺えますが、出 荷頭数の減少が顕著で前年比91%、加工部門(素麺)については前年比92%であり、販売 事業全体で、307億6千万円、計画比96%、前年比103%の実績となりました。〔経済事業〕 2024年度は国外の不安定な社会情勢が依然として継続するなかで、肥料をはじめとす る農業資材は年間を通して高止まりで推移しました。そのようななか、農家組合員の生 産経費抑制を図る目的で予約を中心とした取り組みを行いました。 肥料については、予約に対して価格の据置、品目・期間を限定したキャンペーンの実 施、飼料は価格高騰が続くなか年間を通しての値引きを実施しました。また、「JAグ リーン南島原店」のオープン1周年を記念して、JAグリーン店舗3店合同のキャンペ ーンを開催しました。 生活資材関係では、各地区での農機具展示会で最新技術を備えた農業機械の紹介とス マート農業の実演を行いました。Aコープ店舗では定期的な催しを実施して集客に努め ました。 一方、石油類についても国外の不安定情勢の影響を受け、原油価格は近年で最高の高 値で推移しましたが、定期的なキャンペーンを開催し価格を抑えて提供できるよう努力 しました。 揮発油については、ハイブリッド車や電気自動車の増加により全体的に数量は減少し ているもののセルフSSについては数量を増加することができました。 農業用燃料においては、平年より冷え込みが強く特に灯油・重油は前年以上の伸びと なりました。 全体として、購買品取扱高は132億6千万円、計画比97.2%、前年比99.4%となりまし た。〔信用事業〕 JAバンク長崎中期戦略(2022年度~2024年度)の最終年度であり、顧客基盤の強化・ 農業と地域・利用者をつなぐ様々な金融サービスを提供し、地域に根ざした金融機関と して業務に取り組んでまいりました。 貯金につきましては、1,825億円の計画を立て推進運動を実施し、組合員をはじめ地 域利用者のご協力をいただき役職員一丸となって推進した結果、1,836億円の残高とな なり計画を達成することができました。 貸出金については、358億円の計画を立て農業融資等・住宅ローンを中心とした各種 ローンの伸長に努め、383億円の実績で目標を達成いたしました。 年金友の会の活動につきましては、グラウンドゴルフ大会・ゲートボール大会等開催 いたしました。会員拡大運動決起大会を開催し会員各位のご協力により新規会員の紹介 を頂くなど1,283件の年金口座を獲得できました。
元のページ ../index.html#8