こぶれ 2025年4月号
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国見町の栗林健一さんは、トルコギキョウやストックなどの栽培を行っています。大小合わせて約荷しています。親の代から続く花き農家で、自身の経験や人とのつながりを活かして品質向上に取り組んでいます。様々な品種を栽培する栗林さんは、メインの品種とともに毎年出る新しい品種にも積極的にチャレンジしています。「何でもやってみないと分からない」という考えから、まず少量での試験栽培を行い、実際に栽培してみることでそれぞれの特性をしっかりと把握します。品種選定の際に重視するポイントは3つ。花の揃いがいいこと、病気に強いこと、そして、1本当たりの単価です。さらに、新たな品目としてダリアの栽培も今年の秋から始める予定です。るため、市場との連携が重要です。市場からは週に1度は必ず連絡を受け、品種の供給状況や需要の変動について情報交換を行っています。例えば、「あの品種が不足している」といった情報を受け取り、どの品種を出荷できるかを伝えるなど、密な情報交換は欠かせません。ことを考えて有機肥料を使った土づくりに力を入れています。18歳で本格的に農業を始めてから20年ほどたった頃、「なんで体はできているのに花にボリュームが無いのか」と疑問に感じ、土が原因ではないかと徐じょ々じょに考えるようになりました。そこから土づくりにも複数の品種を同時に栽培してい栽培については、20~30年先の目を向けるようになり、有機肥料を使うようになりました。そこには、後に先生と呼ぶ師匠との出会いがありました。先生から様々なことを教えてもらい、そのおかげもあってトルコギキョウへの対応も変わっていきました。今は有機肥料のみを使っていて、定期的な土壌分析も行っています。土に含まれる成分などについても継続的に学びながら、栽培環境の改善に努めています。しかし、近年の異常気象により栽培がますます難しくなっているのが現状です。特に高温による影響は深刻で、3~4月頃には遮光を始めなければならないほどです。また、害虫による被害も増加しており、冬場の活動が弱まる時期に徹底した防除を行っています。それでも完全に防ぐことは難しいと話します。今は、苗の状態を見ながら管理を行う「苗づくり」によって打開できないかと考えています。トルコギキョウは、適切に世話をすれば1か月ほど楽しむことができる花です。栗林さんにとって、自分が育てたトルコギキョウが「長持ちした」と言われることが一番のやりがいだと話します。それは、親の代からの実績があったからであり、先生や周りの人たちからのアドバイスがあったからだと考えています。 「花はつながり」先生から言われた忘れられない言葉です。この言葉を胸に、栗林さんはこれからも高品質な花き栽培への取り組みを続けて行きます。15棟のハウスで、年間を通して出          5

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