こぶれ 2025年4月号
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いる生産者の方々とやり取りをする中で、農業が生活の根底を支えているすごい仕事なんだと実感するようになったと言います。一から始めたアスパラガス栽培。ベテランのように肌感覚で栽培について判断することが難しい中で、生かすことができたのが前職で培ってきた数値管理という経験でした。仕事で数字に追われる中で、自分がやったことが全て数字となって現れる。それは農業でも同じで、世話をきちんとすれば良い方に出てきて、世話をしなければ悪い方に出てくる。現在、ハウスにはモニタリング装置を設置していて、センサーにより気温や湿度、水分量などを測定しています。そのデータはスマホで常に確認できるようになっています。その数値を見ながらかん水の量を調節するなど、数値管理を意識した栽培を行っています。そしてもう一つ、野菜を使う側   9だった経験が生きているのが、様々な種類のアスパラガスを栽培しているところです。通常の緑色をしたアスパラガスのほかに、県内でも珍しいホワイトアスパラガスと紫アスパラガスの栽培も行っています。ホワイトアスパラガスの特徴はシャキシャキ感。品種は通常のアスパラガスと同じですが、ハウス内の一角に光を遮るシートをかぶせることで真っ白な姿となります。春芽のとれる約1か月間しか栽培できないためとても希少です。紫アスパラガスは甘味が特徴。通常とは違う品種で、こちらもほとんど栽培されていない希少品です。アスパラガス専門農家として栽培を続ける平田さんが考える今の課題は、夏場に良いものがもっととれるようにするための暑さ対策だそうです。最後に今後の目標についてたずねると、「まずは長崎県で一番のアスパラ農家、最終目標は日本一おいしいアスパラを作ることです」と力強く答えてもらいました。▲芽が出たアスパラガスのそばを掘ってみると、新たな芽が出てきて いました。地中にいる時は真っ白なんですね!甘かねぇ~うまい!▲紫アスパラガス▲左から平田邦光さん(父)、平田真一さん、平田眞智子さん(母)▲水は地下水をくみ上げて使っています。 飲料許可も取っているきれいな水で 平田さんのアスパラガスは育ちます▲ホワイトアスパラガス

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