こぶれ 2025年6月号
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んのアムスメロンが実っていました。1株で1玉だけ収穫するアールスメロンと違い、アムスメロンは1株を2つに分けて、それぞれ1番果を2玉、2番果を1玉の計6玉収穫します。「堂崎のアムスメロンの特徴は完熟収穫。なり口のところにヒビの入ったら、熟れましたよという合図です」一般的にメロンは、追熟させることでより美味しく食べられるとされていますが、ここでは1玉ずつ生育状況を確認し、熟したタイミングで収穫しています。ハウス内でも場所によって環境が異なるため、生育のバラつきには注意が必要です。「栽培で一番気を遣うのは水管理。今、水かけたら爆発しますよ」水を与えすぎてしまうと割れなどの原因となるため、このハウスではある程度の大きさになってからは、水を控えてじっくりと糖度を上げていく、そんな繊細な管理が求められます。堂崎地区では昔からメロン栽培が行われており、箱に記された「堂崎」の文字が、産地としての誇りを表しています。品種は数年ごとに入れ替えるなど、市場のニーズに合わせた生産にも積極的に取り組んでいます。昔は「メロンを見れば誰が作ったか分かる」と言われていたそうで、それぞれの生産者が長年培ってきた技術と経験が今のメロン作りを支えています。今後の目標について尋ねると、「もう現状維持ですよ」と白石さんは笑います。その言葉の奥には、次の世代がしっかりと頑張ってくれるという安心感がにじんでいました。収穫作業で忙しい合間をぬっての取材にも、笑顔で快く応じていただいた白石さん。地域のメロン産地を支え、次の世代へとその誇りをつないでいく役割を着実に果たしています。    9▲根本の丸い部分のフチにヒビが入れば熟れた合図▲たくさんの実がついたアムスメロンのハウス▲出荷する箱には大きく「堂崎」の文字▲目ぞろえ会の様子。実際に出荷されるメロンの等級を 1箱ずつ決めて、出荷規格を確認します。10日前から水を切っているそうです。

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