こぶれ 2025年10月号
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早生が11月中旬から12月頃までとなります。収穫の目安となるのは色づき、そして糖度と酸味のバランスです。事前に検査を行い、基準を満たさなければ収穫できません。そして収穫作業に入るわけですが、1日に収穫できるのは1人3本が限界だと言います。「玉が大きいと1人20コンテナ収穫できれば大したもの」と西田さん。収穫作業は西田さん夫婦と近所の方に手伝ってもらい行いますが、圃場に並ぶ木々の数を考えるとその大変さは想像以上です。そして、圃場の管理は収穫期以外も休むことなく続きます。12月に収穫を終えた後、3月までに剪定を済ませ、その後は摘果作業を行います。そして、7月下旬には地面にマルチシートを張ります。これは、余分な水分を抑えて糖度を上げるためで、西田さんはすべての圃場で実施しています。その作業が終わると、次は   9圃場周りの竹や枝の剪定です。日当たりを良くするとともに、実が触れて汚れることを防ぎます。このほか、病害虫の防除作業や施肥など作業は多岐にわたります。非常に多くの手間と時間がかけられているミカン栽培ですが、西田さんはその作業と合わせてほかの作物の作業もこなしていると言うから驚きです。今年の生育については、「なりは少ないが玉伸びはしている。去年は少なかったが、今年は収量も多くなりそうだ」と順調に進んでいるということでした。ただ、年々厳しさを増す気象条件に、栽培を続けていくことの難しさも感じています。その中で今後の目標について尋ねると、「高温による日焼け対策として、遮光ネットを屋根のように張ることを考えている。まずは狭い圃場で試験的にやってみたい」と新たな取り組みに意欲を見せていました。これから本格的な収穫シーズンを迎える大切な時期に、快く笑顔で対応していただいた西田さん。時折見せる真剣な表情からは、ミカン栽培にかける強い情熱と熱い意気込みが伝わってきました。▲地面に敷かれたマルチシート▲白色は日光を反射して実の色づきを良くする 効果もあります

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