やキズのあるものを取り除きます。その後、午前中のうちには吾妻町の西部基幹営農センターへ持ち込みます。午後からは、再びハウスに戻って脇芽かきなどの管理作業を行います。長期間にわたり安定した収穫を続けるためには、樹勢を保つ細やかな管理が欠かせません。中でも重要なのが、水と肥料の管理です。地面にはかん水チューブが張られており、そこから水と肥料(液肥)を与えます。細かい調節は長年の経験と感覚が頼りで、今はまだ「父の作業を見ながら知識を吸収しようと頑張っているところ」だと言います。前に自分のハウスを新たに建てて父の代から続くミニトマト栽培を始めました。自分の分は自分で稼ぐという意気込みで始めたものの、一からのスタートは想像以上の難しさでした。それでも、「やってみるとやっぱりおもしろい」と笑顔を見せます。自分で考えて挑戦できることが仕事へのやる気にもつながっています。上手くいかないこともありますが、良い結果が出たときには「やっていてよかった」と感じるそうです。就農してから10年以上。近年の暑 9さはミニトマトの生育にも大きな影響を与えています。ハウス内の換気などで対策を行っていますが、対応しきれていないのが現状です。その 19歳で就農した木戸さんは、5年中でも、栽培でこだわっていきたいと話すのが「食味」です。収量を増やすことだけに注力するのではなく、ちょうど良い大きさを維持しながら食味を良くしたいと考えています。量と質のバランスをとるのは難しいことではありますが、友人から「木戸のところのミニトマトは美味しかった」と言われることが何よりの励みとなっています。今後の目標は、ハウスと栽培技術を親からしっかりと引き継いで、これまで以上の実績を出すことです。木戸さんは、これからも師匠である父の背中を見て学びながら、1人前のミニトマト農家となるため日々努力を重ねています。▲地面に張られたかん水チューブ▲指先にあるのが実ったばかりの小さなミニトマト▲張られたヒモにクリップでとめられています。高さを揃えるため成長に合わせて斜めに倒していきます
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